想~日々想うこと、徒然~

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【劇】#ブロードウェイバウンズ「 #時を紡ぐもの 」

ブロードウェイ・バウンズ

時を紡ぐもの

観劇しました。3月に静物画をみたぶり、久しぶりのお芝居でした♪

 

※豪快にネタバレしてます!

もし、再演があったら観ようかな?とか、考えてるかたは読まない方が良いかも!自己責任でお願いします🙏

https://www.instagram.com/p/B182zZBJMec/

フライヤーより。

【ストーリー】
自称youtuberの宿無しの男女が寝床を求めて廃墟 となったBARらしき店内に入ってくる。
しかし、そこには先人がいて二人のことを何故か知ってい るという。
こちらも自称占い師・・・。
怪しむ間もなくあちらこちらから人が出てくる。
満月の晩にだけ店を開き、店名を「月下美人」という。
奇想天外な登場人物に怯む二人だが、何故かなかなか外に 出られない。
それどころかむしろどんどん巻き込まれていく。
ジェットコースター人情喜劇。
やがて夜が明けるとき衝撃のラストに涙します。

前説明け、BGMとともに長い暗転から始まる物語。

廃墟に侵入!霊とか出ちゃったらどうしよう! とか言いながら能天気に写真を撮る一(はじめ)と薫…

そんな最初の5分に張られていた伏線が、実は…

 

物語を見進めながら、あれ?なんでこの人たち、 一と薫のことを知っているんだ?

なぜここに違和感がないんだこの人たち??というざわつきが、 最後のオチに繋がっているのに気付いた瞬間の背筋が凍る感じ。


でも、ただのサスペンスではない。

物語の中には、自分にも深く共感する部分がたくさんあった。


私は、姉と自分の二人姉妹なのだけども。

彼女にはとても厳しいしつけを施した両親。

片や、自由奔放に育てられてこんなチャランポランになった私。

 

姉は常々、「あんたは自由でいいよね」という。

 

何かあるとすぐ姉を頼る母を見て、「 お姉ちゃんはお母さんにちゃんと愛されてていいね」、 という意味不明な言葉を投げつけてきた私。

 

私の思春期に母の更年期障害が重なったことも災い、 私のせいでとても荒れた我が家。

 

それでも、私を大切に育んでくれた家族のことと重ねて、 寺下三姉妹を見守る自分がいた。

長女あきがかつての不倫相手とよりを戻すとか、 次女しおりが事業を始めるとか、 三女まこが海外でお笑い芸人目指すとか…

いかにも胡散臭い話が立て続けに起こって、 なんだこのメロドラマのような展開は…というか、 この乱痴気騒ぎのオチは一体どうなるんだ?
…と、思い始めた頃にひっくりかえる舞台。

 

それまでの舞台上での大騒ぎが嘘のような結末に、 はっとさせられた。


ここ数か月の自分に置き換えたとき。

いつか会いに行きたい、そんな甘えの先に、その「いつか」 がやってこないまま、大好きな人を失った経験がある。

 

出会えなかった音楽は、もう、 二度と会う事のできない瞬間だったのだ、 ということに気づいた時にはもう手遅れだった…

 

生きていてくれたら…人任せのそんな後悔の先に行動しなかった自分への苛立ち、悲しみ…


後悔しないように、今、目の前の瞬間、日々を一生懸命に生きろ、 と、言われているような、素晴らしい作品でした。


受け取り手側に委ねるように、最後の最後はいろんな想像ができるように(良い意味で)曖昧な印象のまま巻くが閉じる。

実は一と薫も、 本当の意味で月下美人を出られなかったのではないか…

 

あ、

何故かなかなか外に 出られない。

 

そういうことだったのか。


後悔が無いように生きるって何だろう。

自分自身に問い直す、とても良いきっかけになりました。

(20190526)

#momoboo_観劇記録